(ブルームバーグ):フィアット・クライスラー・オートモービルズ (FCA)のセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は、
米ゼネラル・モーターズ(GM )との友好的な合併の可能性がしぼみつつある中、他の自動車メーカーを合併候補として
検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
マルキオンネCEOはFCAとGMの合併を目指すことについてアクティビスト(物言う株主)として知られる投資家の関心を
見極めようと顧問会社と取り組んできたが、GM側に関心がないため他の候補も検討している。同CEOとアドバイザーら
は「プランB」として他の複数の大手自動車メーカーに目を向けており、フランスのプジョーシトロエングループ (PSA)を
万策尽きた場合の候補として検討している。関係者2人が匿名を条件に語った。
株主の圧力を利用してGMを交渉のテーブルに誘い出す考えをマルキオンネCEOは断念してはいないものの、合併を
打診してGMのメアリー・バーラCEOと取締役会に拒まれたため、より多くの選択肢を模索する必要があると認識している。
マルキオンネCEOは6日のインタビューで、可能なら友好的な合併を望むと述べ、製品構成が似ているメーカーなら経費
削減の余地も大きいため相手として特に好ましいと語った。
関係者によると、マルキオンネCEO(62)が第一の選択肢とするのはGM。アドバイザーらは他社も検討中で、ドイツの
フォルクスワーゲン(VW )も候補として残っているが、GMとの可能性が尽きた後の選択肢だという。VWは先月、
いかなる取引も目指していないとの見解をあらためて示した。
トヨタ自動車のジム・レンツ専務役員(北米担当)は11日、FCAとの合併には関心がないと発言。ミシガン州アナーバー
近郊のトヨタのテクニカルセンターで記者団に対し、「われわれがグローバルなベースで必要としているものには合致しない」
とコメントした。
FCAはGMより規模の小さい日本のマツダやホンダ、スズキ、韓国の現代自動車などに打診する可能性もある。それら
もうまくいかない場合、マルキオンネCEOはプジョーにアプローチするという。プジョーはカルロス・タバレスCEOの下で経営
立て直し計画のさなかにある。
プジョー広報のジャン・バプティスト・トマ氏は電話取材に対してコメントを避けた。
原題:Marchionne Said to Mull Alternatives as GM Deal Chance Fades (3)(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NPSTX56JTSEH01.html