（ブルームバーグ）：ギリシャ救済プログラムの延長期間終了を３週間後に控え、ギリシャは救済資金の確保を目指して
新たな案を債権者側に提出した。
ギリシャ当局者が９日述べたところによると、政府側は先に示した案を補完する２文書を欧州委員会のモスコビシ委員
（経済・通貨担当）に手渡した。文書はギリシャの財政目標に対する債権者側の懸念に対応するもので、ギリシャ債務
を持続可能にするための提案を含むという。当局者は匿名を条件に語った。
ギリシャは支援獲得のための次のステップとして、10日にブリュッセルで開かれる国際会議の場でのチプラス首相とドイツの
メルケル首相、フランスのオランド大統領との会談実現を模索しているが、欧州の債権者側は正式会合を確認する
には至っていない。
ユーロ圏財務相会合（ユーログループ）議長のデイセルブルム・オランダ財務相は９日のインタビューで、首脳会議は「まだ
確実ではない」とし、「解決に近づくのに十分なほど内容のある提案であるかどうかを専門家が検証しているところだ」と
述べた。
ギリシャはさまざまな方法でやりくりして資金をつないできたが、その限界が30日にやってきそうだ。同日は救済プログラム
が終了するほか、国際通貨基金（ＩＭＦ）への15億ユーロ（約2100億円）の支払い期限でもある。
ギリシャの交渉手法に債権者側はいら立ちを強め、ドイツのショイブレ財務相は９日、ギリシャの与党・急進左派連合
（ＳＹＲＩＺＡ）はドイツとの中傷合戦に持ち込みたいようだが、ドイツはそれに乗るほど愚かではないと発言した。
事情に詳しい当局者によれば、ギリシャは新提案で、欧州中央銀行（ＥＣＢ）が持つ約67億ユーロ相当の債券の
７、８月の償還に欧州安定化メカニズム（ＥＳＭ ）の資金を使うことや、欧州金融安定ファシリティー（ＥＦＳＦ）が管理
している救済資金の利用、国内銀行による政府短期証券の購入上限引き上げを求めている。
同当局者はギリシャの修正案について、従来案のあいまいな焼き直しにすぎず、依然として信頼性がないと見なされ
ていると述べた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NPO3NH6KLVR401.html