日銀総裁:「ここからさらに円安はありそうにない」-実効レートで
(ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁は10日、外国為替相場について、実質実効レートでは「ここからさらに円安はありそうにない」との認識を示した。これを受けて外国為替市場では円買いが膨らみ、1ドル=122円台まで円高が進んだ。
午後の衆院財務金融委員会で黒田総裁は「実質実効為替レートでみると円安になっているのは事実」と述べた。相場水準はリーマンショック前に戻ったと述べたが、「リーマンショック前の水準が正しいという根拠はない」とも語った。相場は「ファンダメンタルズ反映したレンジで推移するのが望ましい」と述べた。
円相場は第2次安倍内閣の発足前後から下落基調に入り、5日には1ドル=125円台後半と13年ぶりの円安を付けた。オバマ米大統領が強いドルは問題とG7首脳らに発言したと仏当局者が述べたと8日に報じられ、一時円が買われた。オバマ氏は当局者の発言を否定している。
国際協力銀行(JBIC)の渡辺博史総裁(元財務官)は、為替相場について「米国の金融政策の変更を織り込んでおり、130円台まではいかない」とブルームバーグとのインタビューで9日述べていた。1ドル=130-135円までの円安は日本経済に悪影響を与えるとしている。
黒田総裁の為替相場についての発言を受けて、ドル円相場は急速に円高が進んでいる。1ドル=124円半ばで推移していた相場は1ドル=122円台まで円が買われた。同時に日本株も急速に上げ幅を縮小、前日比で100円以上値上がりしていた日経平均株価は一時下落に転じた。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6163095