<鳥取養護学校>看護師全員が一斉に辞職
鳥取県立鳥取養護学校(鳥取市)で、医療的ケアを担う看護師が不在になり、ケアの必要な児童生徒9人が通学できなくなっていることが分かった。
以前から要員不足の事情があり、ケアの一部が遅れたことを保護者から批判された看護師6人全員が、一斉に辞職を申し出た。
県教委は看護師の配置や相談体制の不備を認め、後任の人材確保を急いでいる。
県教委が8日の県議会で報告した。同校には小学部から高等部までの児童生徒76人が在籍、うち33人がたんの吸引などのケアを必要とする。
看護師6人は非常勤で、5月22日の授業終了後に全員が辞職の意向を伝えた。
看護師の1人は、ケアが数分遅れたことについて、ある保護者から威圧的な言動を繰り返し受けたと訴え、他の5人も不安を募らせていたという。
医療的ケアの必要な児童・生徒は現在、保護者同伴で登校するか、校外のデイサービス施設で教員の訪問授業を受けている。
施設を利用せず家庭訪問を希望しない児童生徒4、5人が授業を受けられない状態という。
野坂尚史校長は「本来は8人の看護師が必要。一刻も早く人材をを見つけたい」と話した。
県教委は「医療的ケアを必要とする児童生徒が増え、看護師の体制が苦しかったとも聞いている。
組織としての受け止めなどが不十分だった」と釈明。県看護協会などに派遣を要請中で、近く学校でのケアを再開する方針という。【小野まなみ、真下信幸】
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