冨田選手「これ以上無意味」控訴断念…カメラ窃盗 有罪確定
2015年6月5日
昨年９月の韓国・仁川（インチョン）アジア大会の会場で同国メディアのカメラを盗んだとして、仁川地 裁から罰金１００万ウォン（約１１万円）の有罪判決を受けた競泳の冨田尚弥選手（２６）が４日、名古屋市内で控訴しないことを明かした。
これで有罪判決が確定する。
控訴期限日に会見した冨田選手は「これ以上、戦っても無意味。裁判は勝たなきゃ意味がない。納得できないところはたくさんあるが、
裁判で『有罪』と言われた時はつらい。そのつらさを味わうのは耐えられない」と話した。
同席した黄文錫弁護士は「控訴審では 新しい証拠がなければ、ひっくり返すのは難しい」と説明した。
冒頭では、裁判で流された防犯カメラの映像が報道陣に初公開された。
不審な動きをする人物が映っているものの、冨田選手であるかは断定できなかった。
一 方、冨田選手が「見知らぬ人物にバッグに入れられ た」と主張する第三者も映っていなかった。
国田武二郎弁護士は「１審の裁判官が出した判断には事実誤認がある。『疑わしきは被告人の不利益』という印象は否めない」と、あらためて潔白を主張した。
冨田選手は昨年１０月に、日本水泳連盟から２０１６年３月末までの選手登録停止処分を受け、契約社員として所属していたデサントからも解雇された。
リオ デジャネイロ五輪代表選考会には出場できる余地は残るものの、「給料も何もないですし、サポートがあるわけでもないので難しい」と、このまま引退する可能性が高いことを示唆した。
一方、アジア大会で団長を務めた日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）の青木剛専務理事は「あらためて選手団からこうした選手が出たことは大変残念だし、おわびする」と謝罪した。
http://www.hochi.co.jp/topics/20150605-OHT1T50059.html