学校内の黒板をキャンバスにしてイラストを描く「黒板アート」の全国大会で、茨城県立水戸桜ノ牧高3年の有働宗一郎さん(17)=ひたちなか市=らの作品が特別賞を受賞した。
白色チョーク1本で富士山を描き、審査員から「さまざまな技法を駆使した山肌の表現が素晴らしく、荘厳さや冠雪の冷気までも感じさせる」と絶賛された。
有働さんは「作品が評価されたことはうれしい」と喜んでいる。
受賞した大会は、黒板メーカー「日学」が主催した「黒板アート甲子園プレ大会」。
卒業や文化祭などの行事の際、高校生の間で黒板アートが静かなブームになっているため、改めて黒板の価値を実感してもらおうと、初めて開催した。
美大への進学を志す有働さんは、昨年の文化祭で富士山を描いた経験がある。たまたまインターネットで大会を知り、応募を決めた。
「大きくてパワーがあり、黒板で大きく描いたら、力を感じられると思った」と再び富士山を題材にした。
作品は今年3月9日の放課後、2時間程度かけて描いた。「黒板の下地が暗いので、白を強調して光を表現するのが難しかった」という。
出展には2人以上で描くとの規定があるため、親友の同高3年の高橋龍平さん(17)に声をかけ、稜線(りょうせん)に一筆加えてもらった。
高橋さんは「傷をつけてはいけない作品だと思い、緊張した」と振り返る。
できあがった作品を撮影して応募した。全国から集まったのは50点。美術大教授や高校教諭らによる審査で、10点の入賞が決まった。
特別賞(3作品)は、最優秀賞(1作品)、優秀賞(1作品)に次ぐ賞だ。
有働さんは「一番上の賞を狙っていたので残念な部分はあるが、良い刺激になった」と話している。【岩嶋悟】
http://mainichi.jp/select/news/20150529k0000m040021000c.html
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