2015/05/29 05:43 JST
(ブルームバーグ):ギリシャはまたも、救済をめぐる債権者側との合意が数日内に可能と楽観的な見通しを示した。債権者側からは
すぐにこれを打ち消す発言が出された。
ギリシャ政府のサケラリディス報道官は28日、31日までに合意に至ることに期待を示した。「この楽観はただ言葉だけのものではない。
ここ数週間の経緯とその間に成し遂げられた進展に基づいたものだ」と同報道官はアテネで記者団に語った。「債権者機関および
ユーロ圏諸国とともに、デフォルト(債務不履行)が決して起こらないように取り組んでいる」と付け加えた。
国際通貨基金(IMF)はギリシャが年金改革などの改革に支えられた信頼できる中期的な財政黒字目標を設定しない限り、救済
取り決めを支持しない、とG7に関わる当局者が述べた。
同当局者が匿名を条件に語ったところによると、ギリシャと債権者側の隔たりはなお大きい。ユーロ圏諸国はギリシャの債務を持続
可能にするために負担軽減を支援する必要が生じることもあり得るという。
ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は行き詰まり打開を目指して先週、5月末を合意の期限とすると発言したが、
チプラス首相との会談後、まだ作業が必要と論調を変えた。ギリシャ側はまだ5月末合意が可能だとしているが、欧州の当局者らは
27日、この期限の有効性を否定した。
IMFへの支払い期日
新たに期限と目されているのは国際通貨基金(IMF)への一連の支払いの初回が来る6月5日。今から3週間に約16億ユーロ
(約2170億円)の支払いが必要だが、ギリシャにどれだけ資金があるのか誰にも分からない。
アナリストらが挙げている一つの選択肢は、6月の支払いをまとめて最後の期日に行う案だが、サケラリディス報道官はこれを否定した。
欧州連合(EU)欧州委員会でユーロ問題を担当するドムブロフスキス副委員長はブリュッセルで記者団に「進展はしているがまだ
やらなければならないことが大量にある。現在はこの作業が鋭意進められている」と述べた。
原題:Greek Chutzpah Over Imminent Deal Belies Creditor Denials (2)(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/bb/newsarchive/NP2EJC6KLVR601.html