NASAは、2015年5月27日に国際宇宙ステーション(ISS)で「恒久型多目的モジュール(PMM)」の位置を現在の「ユニティ」モジュールから「トランクウィリティー」モジュールに移動させる配置換えを実施する。2017年に開始予定となっているボーイング、スペースXによるISSへの商業有人宇宙輸送に向け、宇宙船がドッキングするポートを準備するための作業だ。
「恒久型多目的モジュール(Permanent Multipurpose Module: PMM)」は、2011年2月にスペースシャトルディスカバリー号(STS-133)でISSに運ばれ、取り付けられたモジュール。イタリア宇宙機関が開発し、「レオナルド」の愛称が付けられていた。長さ6.7m、直径4.2mで内部の空間はおよそ68立方mとなる。
現在のISSでは、1998年に打ち上げられた2番目のモジュール「ユニティ」(第1結合部)に倉庫スペースとしてPMMが取り付けられている。ここからPMMをロボットアーム「カナダアーム」を使ってISS前方の与圧モジュール、「トランクウィリティー」(第3結合部)へ移動させるのが今回の作業だ。
PMMの元の取り付け場所のユニティ下部は、ISSの中でも地球に面した側にある。2017年を予定しているボーイングの「CST-100」、スペースXの「クルードラゴン」、2社の有人宇宙船による宇宙飛行士輸送に備え、宇宙船がドッキングするポートを用意することが今回の配置換えの目的だ。また、現在は「ハーモニー」(第2結合部)がドッキング場所となっているスペースXの「ドラゴン」、オービタルATKの「シグナス」などの民間補給船に備え、予備のドッキングポートを提供する目的もある。
モジュール移動の作業は米テキサス州、ヒューストンのNASA ジョンソン宇宙センターミッションコントロールセンターから行う。ISS側では、現コマンダーのテリー・バーツ宇宙飛行士、フライトエンジニアのスコット・ケリー宇宙飛行士がモジュールのボルト解除などの作業に当たる予定だ。トランクウィリティーモジュールに移動したPMMは、5月28日にハッチが開けられる予定となっている。PMM移動によるISSの”模様替え”は、NASA TVで5月27日午後9時(日本時間)から中継される予定だ。
以下ソース
http://senews.jp/satellite/2015/05/26/705