ベトナムでクマが大量死 胆汁採取、その後に飼育放棄
ベトナムで「強さの象徴」「森の友」と愛されているクマが、危機に直面している。狭いおりに閉じ込められ、「伝統薬」の胆汁を注射器で吸い取られたり、飼育放棄で死んだり。哀れなクマを救おうと、市民たちが動き出した。
ベトナム全土で生息するクマの数は不明だが、主に胆汁採取を目的に、森で捕獲されたり近隣国から持ち込まれたりして飼育されるクマは10年前は4千頭以上いたと言われ、現在は約1400頭とみられている。胆汁採取のほか、クマの手を酒に浸し、食材や傷の治療薬などとして売っていたケースも発覚している。
■108頭が1年間で死亡
岩や島々の景観が美しい世界遺産ハロン湾を抱えるベトナム東北部クアンニン省。省内で飼育されていた152頭のクマのうち、108頭が1年間で死んだことが1月、地元政府の調査でわかった。飼育放棄で栄養失調や餓死に陥ったことが原因という。
ハロン湾周辺では長年、世界各地からの観光客を「オプショナルツアー」として民間のクマの飼育小屋に呼び込み、クマの胆汁をひそかに売るビジネスが横行していた。韓国人客が多く、台湾、中国、日本からの客もいたという。
http://www.asahi.com/articles/ASH5L03PRH5KUHBI00P.html?iref=com_alist_6_03