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米国の有名な空想科学(SF)シリーズ「スタートレック」のファンはグーグルマップを用い、新たな発見――USSエンタープライズの建物――を求めて勇敢に中国に旅立った。
この建物のデザインは、「トレッキー」と呼ばれるスタートレック・ファンの間で、長く続いた「テレビや映画シリーズのどの船をモデルとしているのか」という熱い議論を沸き起こした。
さて、この奇妙な建物のオーナーが姿を現した。
長さ260メートル、幅100メートルの6階建てビルを建設したのは、香港に上場するオンラインゲーム開発会社、網龍網絡
(ネットドラゴン・ウェブソフト)だ。創業者の劉徳建氏(43)は米カンザス大学の卒業生で、スタートレックの大ファンだ。また、
同氏は中国の検索エンジン大手、百度(バイドゥ)の取締役も務めている。
総額6億元(約118億円)が投じられたこの建物は、1990年代後半から2000年代前半までのシリーズ作品のうち3本に
登場する「USSエンタープライズNCC-1701-E」がヒントになった。建築された場所は、網龍網絡が拠点を置く中国福建省の
沿海都市である長楽。建設は2010年10月に始まり、14年5月に完成した。
空想的な建造物は中国で珍しくない。ただ、網龍網絡に関して言えば、劉氏とそのチームは真剣に仕事に取り組んだ。
網龍網絡によると、建物の大半を高い位置に設置する必要があるため、同社の役員らは最初の選択肢としてUSSエンター
プライズをモデルにした建物を選ばなかった。ただ、スタートレックのあるポスターに触発され、同社は数本の柱に巨大な宇宙船
を乗せて、あたかも修理のために着陸したように見立てることにした。
この決断を下した時、網龍網絡はスタートレックの制作・著作権を保有する米CBSに連絡を取り、権利の取得を申し入れた。
同社は電子メールで、「このような問題に対処するのは初めてで、彼ら(CBS)は最初、冗談かと思っていた」と述べた。
また、同社は「私たちが関連する法律文書を送付して初めて、彼らは中国の誰かが本当にUSSエンタープライズをモデルに
した建物を建てたがっていると認識した」と話した。
巨大な宇宙船の内部はオフィススペースとなっているが、ここには1987年に米サウスダコタ州で発見された有名なティラノ
サウルス「レックス」の骨格の実物大レプリカが飾られている。