ドローン予告少年に“パトロン”「支援したい」25万円振り込む
2015年5月23日
小型無人機「ドローン」を飛ばすとほのめかし、東京・浅草の三社祭の運営を妨害したとして横浜市の無職少年(15)が逮捕された事件で、支援者を名乗る 男性が浅草署を訪れ、「少年を支援したいと思って25万円を振り込んだ」などと話していることが22 日、警視庁少年課への取材で分かった。
インターネッ ト事情に詳しいITジャーナリスト・井上トシユキさんは、男性について「逮捕された少年と似たような環 境で育ち、同情して支援した可能性がある」と分析した。
警視庁によると、少年は中学卒業後、仕事はしてい なかった。
同庁は、ドローンなどの購入費の捻出方法 を、少年が動画を配信したサイトの課金システムなどで調べる一方、男性からも詳しい経緯について事情を聞いている。
少年の逮捕容疑は14~15日、動画サイトで浅草 神社の三社祭でドローンを飛ばすことを示唆し、三社祭の主催者にドローンを禁止する貼り紙などを貼らせた疑い。
同庁は、威力業務妨害で少年を送検。東京地裁は10日間の勾留を決めた。
井上さんによると、現在のインターネットの動画サイトの課金制度は、広告料の一部を動画提供者に払う 「アフィリエイト」、動画を見る側に直接課金する 「有料チャンネル」、見る側にポイントを買わせてやりとりする「ポイント制」に大別できる。
動画サイト「ユーチューブ」はアフィリエイト方式 で動画再生回数が100万回を超えると、1回あたり 0・1円が動画提供者に支払われる。
「ニコニコ動画」は有料チャンネル方式。わいせつ動画投稿による逮捕者が出たサイト「FC2」はポイント方式を採用しているという。
22日午前、浅草署を訪れた男性は「少年の動画が 非常に面白かったので、支援してあげたいと思った」 などと説明。
パソコンの購入資金として、少年の口座に25万円を振り込んだという。
井上さんによると、動画サイトの世界では男性のように投稿者の支援を目的に現金を振り込むことは珍しいことではないという。
事件との関連は分からないとしながら、「少年と同じように、家族や学校となじめず育った大人が、少年を見て『昔の自分みたいだ』と 同情し、お金やご飯を与えることがある」と話した。
また、井上さんは「少年の公式ホームページは、おしゃれで良い出来だった。『寄付してくれ』と呼びかけていた。無職なのに、長野、京都などへの旅費もどうやって捻出したのか」と指摘し、男性について「パトロンのような支援者だった可能性がある」と分析した。
http://www.hochi.co.jp/topics/20150523-OHT1T50031.html