日本と韓国の財政当局が金融・経済問題などを話し合う「日韓財務対話」が23日、東京都内で開かれた。麻生太郎財務相と韓国の崔※(※=日の下に火)煥企画財政相は、両国間の外交・政治問題とは別に、経済分野から関係改善を図っていく考えで一致。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)を含め、アジア域内のインフラ整備についても意見交換した。
財務対話の開催は2012年11月以来2年半ぶりで、第2次安倍政権発足以降では初めて。崔氏は記者団に対し「いろいろ問題はあるが、政経分離の原則の下で政治は政治で、経済は経済で解決へのきっかけをつくりたい」と強調した。
アジア域内のインフラ整備をめぐっては、日本が今後5年間で1100億ドル(約13兆円)を投じる構想などを通じ、膨大なインフラ需要に応えていくことが重要との認識で合意した。
崔氏は会合の中で、財務対話の開催がAIIBなどの問題を含め、「互いに協力関係を深めるきっかけとなった」と指摘。麻生氏は会合終了後の記者会見で「公正な組織運営を求める従来の日本の立場を説明した」と述べた。
両氏は、地域金融協力を深めていくことや、日韓両国の財務当局間の人事交流再開を検討することでも一致。次回財務対話を韓国で来年開催することも決めた。
日韓両国は今年2月、金融危機の際に外貨を融通し合う通貨スワップ(交換)協定を更新せず、失効させた。韓国の外貨準備高が過去最高水準にあることが背景にあるが、竹島問題などでの外交関係の冷え込みも影響したとみられる。今回の会合で、協定再締結は議論しなかった。(2015/05/23-14:59)
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