英国人、「おもてなし至上主義」日本に違和感 わざわざ海外に「もてなされ」に行きますか?
2015年05月21日
日本の「おもてなし」がどれほどすばらしくても、それが観光動機になるかは別の問題です
東洋経済オンラインをご覧のみなさま、こんにちは。
デービッド・アトキンソンと申します。
私は最近、さまざ まなメディアからの取材を受けると、以下のように主張しています。
「日本の『おもてなし』は、外国人観光客にとっては、 日本を訪れようと決める要因にはならない」
「だから、日本の観光戦略の中心に『おもてなし』を据えるのは、やめたほうがいい」
「『おもてなし』は日本人同士にとってはすばらしいことかもしれないが、外国人に対しては、ある程度、調整する必要がある」
こういったお話をすると、日本が誇る「おもてなし」を否定されたと感じ、反発を受けることが少なくありませ ん。
そこで今回は、私の「おもてなし」に関する考えを、書かせていただこうと思います。
■「おもてなし」で観光立国?
今や、日本の観光政策を語る際に必ず出てくるのが、 「おもてなし」という言葉です。
観光庁は、「2020年オリンピック・パラリンピックに向けた地方の『おもてなし』 向上事業」として、地方の先行的な取り組みを支援しています。
「おもてなしで観光立国」という感じで、地方から政府まで、もはや「おもてなし」はスローガンのように用いられているという印象すら受けます。
「日本の『おもてなし』は、外国人観光客にとっては、 日本を訪れようと決める要因にはならない」「だから、日 本の観光戦略の中心に『おもてなし』を据えるのは、やめ たほうがいい」「『おもてなし』は日本人同士にとっては すばらしいことかもしれないが、外国人に対しては、ある 程度、調整する必要がある」
こういったお話をすると、日本が誇る「おもてなし」を 否定されたと感じ、反発を受けることが少なくありませ ん。そこで今回は、私の「おもてなし」に関する考えを、 書かせていただこうと思います。
しかし、「おもてなしで観光立国」なんてことが、本当 に可能なのでしょうか?
そんな疑問に答えるために、まずは「おもてなし」が十分な観光の動機になるのか、検証していきましょう。
外国人観光客が日本にやってくるには、大変な出費が必要です。
時間もかかるので、会社も休まなくてはいけません。
ここで、みなさん自身に置き換えてみてください。
「おもてなし」だけにそのような対価を払うかといえば、ちょっと考え込んでしまうのではないでしょうか。
たとえば、気候が悪くて、歴史や文化にそれほど特徴もない、食事もそんなにおいしくない、外国人から見ると魅力の少ない国だけれど、国民だけは「おもてなし」をしてくれる。
そんな国へ旅行してみたいと思いますか?
それだけではなかなか、動機にならないはずです。
もちろん、気候もいい、歴史や文化もある、観光資源も たくさんある、さらに「おもてなし」を提供してくれるというような国であれば、「観光大国」になるかもしれません。
しかし、この「おもてなし」というサービスが必須条件かというと、そうではありません。
それを証明するのが、フランスです。
以下ソース
http://toyokeizai.net/articles/-/70079