つづき
ネット上に何らかのテキストや作品を公開した経験のある人なら知っているだろう。ほとんどの場合、リアルで面と向かって会っていたら絶対に言われないような辛辣なコメントが寄せられるはずだ。なぜ人は、オンラインでこうした態度を取るのだろうか。
対面や電話では言ったりしたりしないことを、ネット上ではしてもいいと思ってしまう現象を「オンライン脱抑制効果」と命名した心理学者のジョン・スラーは、オンラインで態度が変わる(抑制が効かなくなる)要因として次の6つを挙げている。
1. あなたは私を知らない
匿名性のおかげで、実生活の評判には傷がつかない。相手からの仕返しや、責任追求を心配する必要もない。
2. あなたには私が見えない
相手の顔が見える対面のやりとりは、より共感しやすいことがわかっている。逆に、自分が傷つけているかもしれない人の顔がわからなければ、罪の意識も恥ずかしさも芽生えにくいだろう。目の前にあるのはパソコンのスクリーンであり、人ではないのだから。
3. では、また後で
オンラインでは、すぐに相手から反応があるとはかぎらないし、返信を待つ必要もない。自分の言いたいことだけをぶつけて、二度と関わらないことも可能だ。
4. すべては頭のなかのこと
オンラインでのやりとりは、現実を歪めることがあるとスラーは主張する。相手の特徴や性格を、自分の都合のいいように作り上げてしまうのだ。
5. 単なるゲーム
批判者が非難されたときの常套句。「マジになるなよ、ただのネットじゃないか。」
6. あなたのルールはここでは通用しない
ここはインターネット。実際の会話中に突然立ち去るのは失礼だが、チャットをいきなり終了しても失礼にはあたらない。
さらに、米フロリダ州立大学心理学科のロイ・バウマイスター教授は、論文「Bad is Stronger Than Good」のなかで、一般的に、悪い印象やフィードバックのほうが、良い印象よりも「すぐに形成され、反証されづらい」。と指摘している。つまり、辛辣なコメントのほうが賛辞よりも人の記憶に残りやすいということだ。
ケチをつけるだけなら誰にでもできる。だが、何かを創造し表現することには勇気がいる。そしてその創作物を世に問うたときに、必要以上にくじけることなく、自分のためになる本物の批判を見分けるためにも、何をやっても必ず嫌う人はいることを覚えておくといいだろう。
ソース
全てを批判せずにはいられない。特に理由もなく何でも嫌う人がいる。オンライン上ではその傾向が顕著に表れる(米研究)
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52192556.html