いっさいの批判を封じる方法がひとつだけある。何も言わず、何もしないことだ。しかしもちろん、そういうわけにはいかないし、建設的な批判であれば自分のためにもなる。
ところが、一部の人は対象が何であれ必ずケチをつける、生来の「ヘイター(hater)」であることが、最近の研究によって明らかになった。この種の人々は、その気質的に何でも嫌い、物事の欠点にばかり目を向けるのだという。
米イリノイ大学心理学科のジャスティン・ヘプラー博士らは、さまざまなトピックに関する人々の反応を調査し、機関誌「Journal of Personality and Social Psychology」に発表した。
トピックはそれぞれに関連性がなく、多岐にわたっており、被験者は特にそれについて予備知識を持っていなかった。また調査当日の気分に結果が左右されないよう、日を改めて再度別のトピックに関して同様の調査を実施した。
その結果、顕著な傾向を示す2種類の人々がいることがわかった。
何でもポジティブに受け止めて好きだという「ライカー(liker)」と、何でもケチをつけて嫌う「ヘイター(hater)」である。それが建築に関することであれ、ヘルスケアに関することであれ、ライカーは何の外部情報を与えられなくてもほとんどのトピックを肯定的に評価し、他方でヘイターはすべてを否定的に捉えた。
これら一部の被験者は、好き・嫌いの気質によるバイアスにより、特に理由もなく、良く知らないトピックを嫌ったり(あるいは好んだり)している。このことは、特に表現者は知っておくべき事実かもしれない。なぜなら、あなたが何を表現し、どんな作品を発表しようとも、それを(理由もなしに)批判して嫌う人は必ず一定層いるということだからだ。
つづく