福島原発2号機:ベント時、配管途中の安全装置が作動せず
http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/select/images/20150520k0000m040150000p_size7.jpg
福島第1原発2号機のベントの流れ
東京電力福島第1原発事故で、2号機原子炉格納容器内の圧力を下げる「ベント」(排気) 操作が難航したことについて、ベント用配管の途中にある安全装置が正常に作動しなかったことが原因だった可能性のあることが19日、東電の調査で分かった。
安全装置は、格納容器内と排気筒とをつなぐ配管の途中に設置されている閉止板(ラプ チャーディスク)。
本来は、一定の圧力がかかれば自動的に破れる仕組みだった。
東電が、ベント配管内の放射性物質による汚染状況を調べた結果、閉止板付近は汚染が確認されなかった。
このため事故時に閉止板が破れず、格納容器から排出されたガスが閉止板より手前で止まっていた可能性がある。
閉止板は、外に放射性物質を漏らさないために設置されていた。
2号機は事故時、原子炉を冷やす電源を失ったため、格納容器内の圧力が異常に上昇。
東電がベント作業を試みたが当時難航したたため、「未解明の事故原因」として再調査を進めていた。
2号機では格納容器から直接、放射性物質を含む気体が漏れたとみられ、1~3号機の中で最も多くの放射性物質が放出されたと推定される。【斎藤有香】
2015年05月20日
http://mainichi.jp/select/news/20150520k0000m040160000c.html