ベトナム戦争終結から今年で４０年を迎えるが、２世、３世の身体にも影響を及ぼす枯れ葉剤被害のほか、見えない傷を抱える人は多い。篠山市出身のフォトジャーナリスト村山康文さん（４６）＝京都市右京区＝は元米兵や華僑、ベトナム難民らを取材。その際の写真を取材相手の印象的な言葉を添えて、神戸市灘区の神戸学生青年センターで２０日から展示する。
第２次世界大戦後、ベトナムは南北に分断され、南ベトナムを援助していた米国が１９６５年、北爆を開始。７３年に米国が撤退し、７５年４月のサイゴン（現ホーチミン）陥落により南ベトナムが降伏し統一された。多くの民間人や軍人が犠牲になった。
村山さんは９８年からベトナムを取材。今回は取材相手や、今も米国で星条旗と並んで掲げられる南ベトナム国旗など計２０点を展示する。写真近くには村山さんが聞き取った言葉も記す。ベトナムに派兵された元米軍兵士は「終わりの見えない戦争だった」▽ホーチミン市の中華街で父親が南ベトナム解放戦線の兵士に殺された華僑の男性は「中国人がどれほど怖くつらい思いをしたか。マイノリティーの歴史を語る人はいない」▽韓国人の夫が国外退去させられたベトナム人女性は「家族が離れ離れになる。悲しい現実だが、それが戦争」。
「ベトナム戦争は終わらない」と村山さん。「戦後７０年を迎える日本では戦争に参加するかのような法案が出されている。戦争とは何かを考え、平和を見いだしてほしい」と願う。
２４日午後１時～３時半に同センターで村山さんや、多くの米兵がベトナムへと出発した神戸で、反戦運動を展開してきた元「ベ平連神戸」中心メンバー、西信夫さん（６７）＝神戸市西区＝が講演する。参加費６００円。
写真展は２９日まで、午前９時～午後１０時。無料。同センターＴＥＬ０７８・８５１・２７６０（高田康夫）
以下ソース
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201505/0008041253.shtml