ギリシャのゲームは大詰め-3週間で命綱切れるとの見方も
Bloomberg?5月18日(月)9時0分配信
(ブルームバーグ): ギリシャの銀行は資金繰りの維持に不可欠な担保が底を突きつつある。債権者との瀬戸際の交渉を数週間にわたり続けてきた同国のチプラス首相に対し、こうした危機的状況が行動を促す可能性がある。
ギリシャの金融システムから預金が流出する中で、同国の銀行はギリシャ銀行(中央銀行)に置く担保を利用し、毎週ますます多くの緊急流動性支援(ELA)の供与を受けている。最悪のシナリオでは、このライフライン(命綱)が3週間以内に限界に達し、銀行が支払い不能に追い込まれると一部のエコノミストは予想している。
米銀JPモルガン・チェースのアナリスト、マルコム・バー氏とデービッド・マッキー氏は15日付の顧客向けリポートで、「担保が底を突く時期が恐らく近い。中央政府のキャッシュフローに対する圧力、銀行システムに対する圧力、政治日程の全てが5月後半から6月初めに集中する」と指摘した。
チプラス首相は14日の段階で債権者側への主要な要求について妥協するつもりはないと述べており、欧州の政策担当者の我慢も限界に達しつつある。ギリシャ向け救済資金の追加供与を行うかどうかが協議の焦点だが、ECBがELAプログラムの下でギリシャの銀行が差し入れる担保のヘアカット(割引率)拡大を決定すれば、リスクがさらに高まる恐れがある。
そのような動きは下手をすればギリシャの銀行からの預金流出にさらに拍車を掛け、債権者と合意するか、それとも資本規制に至る道に踏み込むかチプラス首相に二者択一を迫ることになりかねない。
一方、欧州中央銀行(ECB)のメルシュ理事は16日にルクセンブルクのラジオ局100.7とのインタビューで、「われわれはゲームの大詰め段階に差し掛かっている。これは持ちこたえることができる状況ではない」と発言した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150518-00000010-bloom_st-bus_all