首相の姿勢に露反発?北方領土訪問、異例の中止
北方領土の元島民らが古里を訪れたりする「ビザなし交流」と「自由訪問」が、ロシア側の都合で相次いで中止となったことが14日分かった。
悪天候以外の理由で中止となるのは異例。専門家は、安倍首相の外交姿勢をロシア側が欧米寄りと受け取った可能性を指摘している。
中止となったのは、15~18日に国後島を64人が訪問する予定だった「ビザなし交流」と、19~22日に色丹島を59人が訪れる予定だった「自由訪問」。いずれも今年度の第1回となるものだった。
ビザなし交流は1992年から行われており、2009年にロシア側都合で中止となったことがある。1999年に始まった自由訪問がロシア側都合で中止となるのは初めて。
北方四島交流北海道推進委員会(長尾明宏会長)によると、13日夕にロシア側から「調整がつかない」と外務省に説明があったという。
北方領土問題に詳しい望月喜市・北海道大名誉教授(ロシア経済)によると、中止の理由としてロシア側の行政手続きの不手際のほか、モスクワで今月行われた対独戦勝70年の記念式典欠席など、安倍首相の外交姿勢をロシア側が欧米寄りと受け取った可能性が考えられるという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150515-OYT1T50028.html