きわめて珍しい四つ子のクエーサーを発見
発見確率は理論上1000万分の1
2015.05.15
天文学者のチームが、観測可能な宇宙の端で四つ子のクエーサーを発見した。クエーサーは非常に明るい天体で、ふつうはばらばらに存在しているが、今回発見された4個のクエーサーは、わずか65万光年という狭い範囲にひしめいている。
5月15日付け学術誌『サイエンス』にこの論文を発表したジョゼフ・ヘナウィ氏は、「平均すると、クエーサーどうしは1億光年ほど離れて存在しています。4個のクエーサーがこんなに狭い領域で見つかる確率は1000万分の1です」と言う。
(略)
ふつう、ガス雲は重力収縮するときに高温になる。けれども、ヘナウィ氏らが発見した雲の温度はわずか1万℃だった。「宇宙論的には、1万℃というのは低温です。ガス雲が重力収縮するときの温度は1000万℃程度になるはずだからです」とワインバーグ氏は言う。また、このガス雲の密度は理論家が考える密度よりはるかに高かった。「そんなガス雲がどうして存在するのか、まったくわかりません」とヘナウィ氏は言う。
異常な星雲の中に異常なクエーサーの集団があるのは、偶然ではないのかもしれない。この星雲の冷たいガスが燃料となることで、クエーサーがふつうより長期にわたって活動できるようになり、同時に輝く確率が高くなったのかもしれない。
記事全文
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/051500102/ph_thumb.jpg