全国で増え続ける空き家。総務省の調査では、二〇一三年は八百二十万戸で、空き家率は13・5%だった。
今後も増加傾向が続くとみられており、野村総研(東京)は二三年には約千四百万戸に上ると試算する。
国は二十六日に全面施行される空き家対策特別措置法を基に対応する方針で、今後は倒壊の危険などがある
空き家の所有者は、土地の固定資産税の優遇措置が受けられなくなるといった可能性も出てくる。 (寺本康弘)
「維持するにもお金がかかるし、処分するにもお金と時間が必要で、身動きがとれない」。七年前に母が亡くなり、
愛知県稲沢市の実家と敷地約二百平方メートルを相続した東京都の公務員女性(60)は、こうため息をつく。
女性が相続した家は、築四十年以上の木造二階建てで、部屋は七つ。母の他界後は誰も住んでいない。
東京から戻っても、所有する名古屋市内のマンションに住むつもりで、将来も実家に戻る考えはない。
しかし、水回りが古くリフォームしない限り、賃貸に出すのは難しい。更地にするには解体費用がかかる。
さらに祖父母や両親の衣類、写真など思い出の品が大量に残っていて、整理するにも時間がかかる。
固定資産税は、土地と建物合わせて年四万円。二カ月に一回の除草と、年一回の庭木の手入れの費用は
計十五万円ほどだ。「ほっておくとすぐに草木がぼうぼうになり不用心。手入れだけは欠かせない。空き家は
お金がかかる」とぼやく。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2015051402000212.html
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