日本は人口の高齢化としつこいデフレ、労働市場とエネルギー供給における厄介な構造問題に苦しんでいる。財政状況は、畏怖を感じさせるほど悪い。こんな状況にある国は通常、最悪の事態に備えて計画を立て、ただ最善を祈るよう助言される。
ところが日本の内閣府は、今後何年も3~4%の名目成長が続くとの前提に基づき財政予想を立てている。20年以上そのような水準に達していないにもかかわらず、だ。
名目ベースでは、日本は1990年代初頭の金融バブル崩壊以降、全く前進していない。
バラ色の財政予想はしばしば、政府の善意にとって致命的となる。内閣府の予想のために、安倍晋三首相は慢性的な財政赤字を抑制するための増税や歳出削減について、ほとんど準備せずに済むからだ。
他国であれば、そのような楽観主義は、予想を中立な第三者に委ねよという要求を招くだろう。
日本経済を眠りから目覚めさせるために必要な薬
だが、日本は大半の先進国とは違う。一部には、数十年に及ぶ日本の成長停滞に、同じように不活発な欧州諸国の行く手に待ち受けることの前兆を見て取る人もいる。別の見方は、日本は異常値であり、まだ是正することができる悪いマクロ経済政策の実例だ、というものだ。
安倍氏の推進する金融、財政、構造改革プログラム「アベノミクス」は今なお、日本経済を刺激し、その眠りから目覚めさせるために必要な薬だ。
以下ソース
社説:アベノミクスは失敗してもリスクに過ぎない 安倍首相と黒田日銀総裁は一致協力を
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43767