湾岸協力会議:4首脳欠席「アラブの肘鉄砲」 米メディア
2015年05月12日
【ワシントン和田浩明】オバマ米大統領肝煎りの湾岸協力会議(GCC、ペルシャ湾岸6カ国で構成)との首脳会議に、筆頭格サウジアラビアなど4カ国が首脳以外の代理出席となったことで、複数の米主要メディアや中東専門家は11日、「オバマ政権の中東政策に不満なアラブ首脳らが肘鉄砲を食わせた」 との見方を示した。
これに対しホワイトハウスや国務省の報道官は会見で「適切な人物が出席する」「首脳出席は期待していなかった」との主張を展開、打撃は少ないとの演出を図った。
ホワイトハウスによる と、サウジのサルマン国王は同日、オバ マ大統領に電 話で欠席をわび、治安や国防を担当する 正副皇太子が代わりに出席すると伝達。
GCCが地域の脅威に共同で対処する能力の必要性で合意した。
サウジ国王欠席について米戦略国際研究所(CSIS)の ジョン・アルターマン上級副所長兼中東部長は「(米)大統領に盾突いても問題ないと考える人々」の事例の一つだとして、 米議会演説でオバマ政権のイラン核交渉を批判したイスラエルのネタニヤフ首相になぞらえた。
米ブルッキングス研究所のブルース・リーデル上級フェロー (中東担当)は、サウジは「米国の中東政策に対する信頼の欠如を示す明確なシグナル」を送ったと見る。
特に、核問題でのイランとの「和解」を求める姿勢や、イエメン、シリア情勢での対応に不満を募らせていると分析した。
アーネスト報道官はGCC首脳会議の事前調整でも懸念の表明はなかったと説明。
代理出席の諸国からはオバマ氏と会談経験のある治安や国防の責任者らが出席するとして、米国との安保協力の深化、近代化を協議する上で問題はないと主張した。
国務省のハーフ報道官代行は「全首脳の出席は期待していなかった」と述べた。
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