東北一のカーネーションの産地、宮城県名取市の農家で母の日に向けた出荷作業が続いている。
同市小塚原地区の生産農家・菅井啓貴さん(37)方では、温室栽培のカーネーションを25本ずつ束にし、箱詰めしていた。東日本大震災の津波で、約33アールの温室すべてが浸水する被害を受けた。ボランティアの力も借り、ヘドロやがれきを撤去、土壌から塩分を取り除き、2013年に出荷を再開した。菅井さんは「言葉にしなくても、母の日に渡すだけで気持ちを伝えられるアイテム」と胸を張る。
同市花卉(かき)生産組合に所属する地区内の生産農家8軒全ても被害を受けたが、来年には震災前と同じ生産量に戻る見込みだという。(福留庸友)