中谷元防衛相は9日午前、沖縄県の翁長雄志知事と県庁で会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題などを協議した。
中谷氏は「どう考えても普天間を辺野古に移設するのは唯一の解決策と確信している」と理解を求めたが、
翁長氏は「辺野古に基地を建設するのは不可能だ。沖縄県として絶対に反対していきたい」と述べ、会談は平行線に終わった。
両氏の会談は、翁長氏が昨年12月に知事就任後初めてで、約30分間行われた。
中谷氏は「原点は普天間を固定化させないことで、政府と沖縄との共通認識だ」と述べ、
沖縄の基地負担軽減にもさらに取り組む考えを説明。4月の日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、
米軍嘉手納基地(嘉手納町など)以南の6施設・区域の早期返還を促進するため、来年春までに計画を更新することで合意したことを報告した。
翁長氏はこれまで中谷氏が会談に応じなかったことに触れ、「『今話し合っても溝が深くなるだけだ』という高飛車な発言が聞こえてきた。
沖縄県民に寄り添う政府の方針とはほど遠い」と厳しく批判。そのうえで「新辺野古基地が唯一の解決策ということに固執すると、
日米安保体制に禍根を残す」と強調。「途中で計画が頓挫すれば、すべて政府の責任だ。中止を決断してもらいたい」とも語った。【飼手勇介、佐藤敬一】
http://mainichi.jp/select/news/20150509k0000e010207000c.html