うじきつよし 原点ロックで伝えたいこと 2015年5月4日
「恐ろしいことに、四半世紀前のかつてのファンが来てくれて、飛んだり跳ねたり。家庭や会社では大変であろう世代ですが、
こっちが驚くほど元気ですね。その方々が、親よりしっかりしてそうな息子や娘さんたちを連れてきてくれるんです。
最初はこっちも固くなって、むきになって空回りするのが見てる方はおもしろかったと思います」
ただし「同窓会気分で喜んでるだけなら、続ける意味がない」と言い切る。
「まだ、おっさんでも新しい曲が作れ る。おっさんのロックバンドが、それなりに言わなくちゃならないことがあると思うんですよ」
うじきは活動休止中には、テレビ朝日系「サンデープロジェクト」など報道番組の司会を務めたこともあり、見える世界も違ってきたという。
「ロックバンドの原点は、時代時代に起きてることに、まっとうな人たちが言えないことを表現すること。昔も精一杯、
訴えてはいましたが、見えてる部分が小さかった。報道番組の司会もやらせていただき、見識は確実に違ってきましたね」
5月5日に発売する新アルバム『ロックにはまだやれることがあるんじゃないのか』にも、そんな思いを込めた。
「今の日本、ちょっとおかしいんじゃないか。国が発展しながら70年間も続いた平和を失いかねないことをやっていいのか。
沖縄や福島の人のことを他人任せでいいのか。本来、不良であるこっちの叫びが正論になるのはおかしいと思うんですよね」
「子供ばんど」と名乗った当時から、大人社会への反発意識が根底にあったことには「くだらない大人になりたくないとか、なんて青い発言だったんだろうと。すごく口うるさい頑固オヤジになってしまいました」と笑いながらも「物分かりよくはなれなかった」と語る。
血気盛んな世代としては、現在の若者世代には「変に空気が読めるから、こっちが叱ったつもりでも、話を聞いてくれたり、軽くスルーされたりしますからね」と世代格差を感じているというが「平和の問題にしても、一番の当事者になるのは今の20代や30代になるわけですから」と伝えたいことは尽きない。
「我々のエンターテインメントの世界も平和な世界があってこそ。空気の汚れを警告する『炭鉱のカナリア』にはなれなくても、せめて『ハキダメのカラス』としてカアッ!とかギャア!と叫んでいきたいですね」
http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2015/05/04/0007987059.shtml