安倍政権の狙いはミエミエ…教員免許「国家資格化」の危うさ
自民党の教育再生実行本部が、学校の教員免許の「国家資格化」を提言する方針を固めた、と先日報じられた。いまの安倍“独裁”政権の横暴なやり方を見るにつけ、危険なにおいを感じる。
何でも提言では、現在の医師免許のような位置付けをイメージしているらしい。
これまで教員免許は、大学で教員養成課程を履修した後、大学が所在する都道府県教委から与えられてきた。そのうえで各自治体が実施する採用試験に合格すれば、晴れて“先生”に。
それを共通の国家試験と、1~2年程度の研修期間を経て免許を与えるようにするという。「教員の資質向上と待遇改善を図るのが狙い」なんて報じられていたが、にわかには信じ難い。
「医師免許の取り消し、停止などの行政処分は、厚労省の医道審議会が決定する。教員免許が国家資格になったら、同じように政府が教員の生殺与奪権を握ることになります」(文科省関係者)
安倍政権の魂胆が透けて見えるようだ。
立正大教授の金子勝氏(政治学・憲法)は「非常に危うい話です」と、こう言う。
「日本を戦争できる国にする。そうした国家の方針を小中高教育でたたき込むためには、現場の教師を“従属”させる必要があります。
安倍政権はそれを狙っているとしか思えません。教員免許が国家資格化すれば、政府に忠実な教師ばかりを採用でき、逆に意に沿わない、盾突く教師をクビにできる。
教科書も政府の言う通り、教師までそうなったら、まるで独裁国家、戦前の国家統制教育に逆戻りですよ」
沖縄のように、安倍政権にあらがう自治体の教師は“一掃”される恐れもある。それでなくても安倍首相は、国立大の入学式や卒業式でも「国旗を掲揚、国歌を斉唱しろ」などと言っていた。
大学の自治をないがしろにするような男だ。
「小中高に加え、大学まで牛耳ろうとしている。戦後70年、国民のための教育が、国家のための教育に。由々しき事態ですよ」(金子勝氏)
提言は5月中旬にもまとめられ、安倍首相に提出される方針というが、国家百年の計は教育にあり、だ。独裁者気取りのおかしな首相に、好き勝手やらせてはいけない。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159468/1