【ワシントン時事】米上下両院合同会議で安倍晋三首相 の29日の演説を聴いた米政府・議会の関係者からは、評価の声が相次いだ。
一方、首相が過去の植民地支配と侵略に対する「おわび」を表明せず、いわゆる従軍慰安婦問題にも触れなかったことを批判する声も聞かれた。
上院議長として出席したバイデン副大統領(民主)は、記者団に「最も気に入ったのは、首相がアジアの近隣諸国に共感を伝えたことだ」と、歴史問題への言及を称賛。
「中韓両国との関係で微妙なテーマだが、首相は日本の側に責任があることを明確にしたと思う」と評価した。
議長役を務めたベイナー下院議長(共和)は「第2次大戦中に戦死した英雄に言及したことに、本当に感謝している」との談話を発表した。
スティーブ・コーエン下院議員(民主)は「傑出した演説。第2次大戦がもたらした死と悲しみを認めたこと、女性(の活躍)に言及したことは適切だった」と指摘した。
レーガン元大統領のスピーチライターだったダナ・ローラバッカー下院議員(共和)は「Aプラスの演説だった」とたたえた。
約47分間の演説中、満席の議場からスタンディングオベーションを送られる場面が10回以上あったが、拍手せず座ったままの議員もいた。
マイク・ホンダ下院議員(民主)は、首相が謝罪せず、慰安婦問題に言及しなかったことに触れ、「首相が組織的残虐行為の責任を認めなかったことは、恥ずべきことだ」と批判。
ジュディー・ チュー下院議員(民主)は「アジア諸国民に苦しみを与えたと認めたことには感謝する」としつつ、「信じられないほど失望している」と語った。
(2015/04/30-08:33)時事通信社
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2015043000127