天の川を見て方位を知るフンコロガシ、日中は?
2013年、ナショジオニュースは 「Current Biology」誌に発表されたある論文を紹介した。アフリカのフンコロガシは天の川を手がかりに方位を知るというものだ。こんな能力を持つ生きものは他には知られていない。
この「今週の不思議な生き物」の記事に、先月、ロードアイランド在住の“jtbean”さんが質問コメントをつけた。「(フンコロガシが天の川をナビゲーションの手がかりにしているなら)白夜で天の川の見えない夏のアラスカではどうやって方位を知るのですか」
そこで、論文の共著者であるスウェーデン、ルンド大学の生物学者、エリック・ワラント氏にメールで聞いてみた。氏は、アラスカのような高緯度の場所にもコガネムシ科の糞虫は生息するが、糞を転がす習性を持つフンコロガシとは別の種で、星の光自体をナビゲーションに利用するのはフンコロガシだけだという。もし、フンコロガシがアラスカのような北方に生息するならば、おそらく日中に活動し、空の偏光パターンなど、他の手がかりを利用するだろう。
星の光は、実は一定の光のパターンを空に描いている。人は感知できないが、コガネムシなどの昆虫にはこれがはっきりとわかる。ワラント氏によると、空の偏光パターンは「太陽または月の光が地球の大気で散乱して生じる」とのこと。夜も月の光によって同様のパターンが生じ、夜行性のコガネムシがナビゲーションに利用するが、その強さは昼間の百万分の1ほどだ。
フンコロガシの見ている星の偏光パターンを人間も見ることができたなら、どのように見えるだろうか。それは、夜空の星を長時間露光で撮影したような、地球を幾重にも取り囲む同心円状の対称的な破線になる。
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