日本のミジンコ、外来種だった…研究者びっくり : 科学 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150422-OYT1T50073.html
日本に生息するミジンコは、過去に北米から侵入してきた外来種だったという研究結果を、東北大の占部うらべ城太郎教授らのチームが米科学誌に発表した。
占部教授は「教科書にも出てくるおなじみのミジンコが、外来種だったと分かり驚いた」と話している。
ミジンコはカニなどと同じ甲殻類で、世界各地に分布する。チームは、国内35か所の池や湖で採集した205匹のDNAを調べた。
その結果、国内のミジンコの先祖はわずか4匹のメスで、いずれも北米から入ってきたことがわかった。うち2匹は700~3000年前、残り2匹はそれより後に入ってきたと推定できた。渡り鳥などが運んだ可能性があるが、詳しくは分からないという。
日本に入ってきたミジンコはいずれも交尾はせず、メスが自分の遺伝子をそのまま子どもに伝える仕組み(単為生殖)で増えていることも判明。交尾をしないため遺伝子の多様性が低く、病気の感染などで絶滅する恐れがあるという。北米には交尾をするタイプと、しないタイプの両方が生息し、日本には一方だけが来たとみられる。
ミジンコの生態に詳しい滋賀県立大の伴修平教授は「ミジンコがどのようにして大陸間を移動したのか、興味深い」と話している。