【閲覧注意】トリーチャー・コリンズ症候群 ―顔面が不調和な少女
多くの人は一生に一回も大手術を受けた経験がない、もしくは経験があっても数回だろう。
しかし、今回紹介するのは、人生で45回もの過酷な手術を受けてきた、現在12歳のジュリアナ・ウェットモアちゃんだ。
■顔の骨が40%欠落した赤ちゃんが生ま れる
この中の5番染色体の異常だと一般的にいわれている
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米フロリダ州ジャクソンビルに生まれたジュリアナちゃんは、トリーチャー・コリンズ症候群
(Treacher-Collins syndrome:TCS)だ。
トリーチャー・コリンズ症候群とは、5番染色体上での遺伝子の変化が原因と考えられる疾患で、
頬骨の欠如等、顔面の不調和が特徴で、平均すると1万人に1人の新生児に見られる。
しかしジュリアナちゃんの症状は、今まで誕生したトリーチャー・コリンズ症候群の中で最も重症だという。
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生まれた時、ジュリアナちゃんの顔の骨は40%が欠落、その結果目はふさがり頬骨、鼻腔、上下の顎を持って
いなかった。また、気管も塞がっていたので、医者がすぐ気管切開をしなければ危険な状態だったという。
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ジュリアナちゃんの重い症状を知ったメディアや一部の医師からは、ジュリアナちゃんを安楽死させるべきだという意見もあった。
それにもかかわらず、両親は、ジュリアナちゃんを生かし続けるという決定をしたが、それに対して世間からは
さまざまな反応があった。ジュリアナちゃんのビデオを見た視聴者からは「こんなヒドイものは安楽死させるべきだ」
というコメントもあり、両親、医師、その他関係者は大きな怒りを感じたという。しかし、このような心無いコメント
によって、ジュリアナちゃんに正常で健康な生活を与えたいという気持ちはますます強まったと両親は話している。
「美しさは皮膚一枚でしかないという事をジュリアナは、世界に示しています」と両親は語る。
そして父親のトムさんは「神さまはその人ができる以上の事を決して与えないと私は信じています」と言う。
5歳の頃のジュリアナ・ウェットモアちゃん
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誕生直後のジュリアナちゃん
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■同じ症状を抱える子どもたちを養子に
ジュリアナちゃんは、現在も日常生活をする 上でさまざまな難問がある。しかし、彼女は孤独ではない。
両親と彼女の姉のケンドラさんの手助けはもちろん、彼女にはダニカちゃんというウクライナの孤児院から引き取られたもうひとりの
姉妹がいるのだ。ジュリアナちゃんと同様の症状を抱えるダニカちゃんだが、病状はジュリアナちゃんほど重くないという。
ジュリアナちゃんとダニカちゃんは初めて会って以来、いつも一緒に過ごし、手話を使い、ブランコで遊ぶ。
ウェットモアさん夫婦は、他の人には理解しがたい事もジュリアナちゃんとダニカちゃんは理解し合えるという。
そしてウェットモアさん夫婦は、さらにトリーチャー・コリンズ症候群の乳幼児2人をウクライナから
引き取る予定があるということだ。
今後もいくつかの整形手術を重ねる予定だったのだが、ジュリアナちゃんは両親に
「今の自分の外見に満足している。これ以上の手術はしたくない」
と告げたという。ウェットモアさん夫婦はジュリアナちゃんの意思を尊重し今後、手術はしない予定だと話す。
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