世界中の多くの刑務所は脱走防止に時間と労力を割いているが、日本では受刑者を出所させるのに苦労している。
毎年約6400人があてどもないまま出所、そのうち3人に1人は2年以内に戻ってくる。
日本政府は犯罪対策閣僚会議で昨年12月、帰る場所がないまま社会復帰する出所者数について、
夏季東京五輪が開催される2020年までに3割以上減らすと公約した。
犯罪や非行に手を染めた人を社会の一員として再び受け入れる社会環境を構築する一環だ。
高齢受刑者がこの10年間急増する中、かなり高い数値目標だ。自由を手にしても孤立する社会での生活より、
仲間がいて衣食住を政府が提供する刑務所生活を選ぶ受刑者も多い。
長崎刑務所に入所している67歳の受刑者は、すりを繰り返して14回目の服役中だ。
12月に満期出所予定だが、支援なしにはまた戻る可能性が高いと社会福祉士はみている。
頼れる親族や友人がおらず、なけなしの所持金を食費や酒で使い切ってしまうからだ。
福島刑務支所(女子刑務所)では60歳以上が全受刑者の28パーセントを占める。
窃盗を重ねている最高齢91歳女性は、入出所を繰り返している。
「日本の刑務所は劣悪な環境、ほとんどの施設で暖冷房が入らないので、
冬は手足がしもやけでパンパンになり、夏は汗だく。どうしてこんな環境に戻りたいのか、
それだけ社会に居場所がないということだ。
刑務所には仲間がいて、食事と部屋が与えられ、健康管理も受ける、死亡しても手厚く弔ってもらえる」
と龍谷大学大学院法務研究科教授で犯罪学専門の浜井浩一氏は述べる。
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