中国人の私が帰化して新宿区議選に出る理由
「当選すれば、民主主義のない中国は大打撃」
http://toyokeizai.net/articles/-/66339
「中国にはない、民主主義をしてみたい」と語る李小牧(り・こまき)氏。今年2月に日本国籍を取得、新宿区議会選挙に出馬へ。
「日本に住む外国人と日本人との架け橋になりたい」と意気込む
前半戦が終了した今年の統一地方選挙。後半戦も多くの自治体で選挙が行われるが、東京都新宿区の区議会選挙では、
異色の“日本人”が立候補する予定だ。それが、李小牧(り・こまき、リ・シャム)氏である。
日本在住27年、留学生として来日した後、同区内にある日本一の歓楽街・歌舞伎町の「案内人」として著書も多数あり、日本
でも知名度が高い人物だ。李氏は今年2月に日本国籍を取得したばかり。なぜ李氏は今回の地方選挙に出馬するのか。李氏
の胸の内を聞いてみた。
――日本国籍を取得してわずか2カ月。日本国籍者として早速の権利行使です。
すべては私の好奇心からです。私はもともと好奇心が強い人間。そして、日本に住みながら日本と中国のことを考えてきたのですが、
その考えと好奇心が立候補へと押し上げました。
「中国ではできないこと」が、日本ではできる
――帰化申請前から「民主主義をしてみたい」と発言されていました。
そうです。自分も投票できて、選挙にも立候補できる。これ以上の民主主義はありません。中国にいる限り、こんなことはできない。
日本に来て、私はやりたいことをすべてやってきました。それは、本を出す、新聞を出す、ラジオやテレビなど放送にも出るということ。
これらはみんな言論の自由です。民主主義の一つですが、これが中国にいてはできないものです。
言論の自由を楽しみにながら、もちろんおカネもたくさんかかりましたが(笑)、さらに感じたことがあるのです。私がプロデュースした
中華料理店にはこれまで、(1989年の)天安門事件に参加した民主化活動家が多くやってきました。
中国を離れて、米国やカナダ、欧州、台湾などからいろんな活動家がやってきて、私のお店で侃々諤々の議論をやっている。彼らの
話を聞きながら、「民主主義はこういうことなんだ」と、ますます民主主義に関心を持つようになりました。
(中略)
一つ日本人に助言したいのは、「外国人にとってやさしい所は、日本人にとってもやさしい所になる」ということです。2011年の東日本
大震災は、私にとってもショックでした。最もショックだったのは、余震や原発事故による放射能を心配して、中国人をはじめ外国人が
あっという間に帰国してしまい、しかもあまり戻ってこなかった。これは、彼らのように帰国してしまった人は、普段から日本人との関係が
希薄であったことが大きな原因だと考えています。
なぜか。私は、少なくとも彼らよりは日本人を知っています。日本人と付き合って、日本人がどのような人たちかを理解しています。
余震や放射能は確かに怖いかもしれないが、同じ場所に住んでいる日本人はとどまっている。彼らと普段から地域的な関係を持って
いれば、また日本人との良好な関係があれば、帰国という拙速な行動をとることはなかったはずです。
>>2以降に続く