再稼働 政府「粛々と」 高浜仮処分 規制委「審査に影響ない」
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を禁じた仮処分決定は、原発を推進する政府や電力業界の姿勢に“冷や水”を浴びせた格好だ。両者は「再稼働の方針に変更はない」とするものの、今回の司法判断で住民理解や地元同意などの手続きが難しくなったとの声も出ている。
菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日の記者会見で「国は当事者ではない」とした上で、異議を申し立てる予定の関西電力の対応を注視する考えを示した。「世界で最も厳しいと言われる規制の結果、大丈夫だと判断された。(再稼働は)粛々と進めていきたい」。話しぶりはいつもと変わりなかったが、「上から目線」と不評を買い封印したはずの「粛々と」のフレーズを口にした。
原発行政を担う経済産業省の幹部も「まだ下級審(地裁)の決定なので今後の法的手続きを見守りたい」と語った。
一方、決定で「合理性がない」と批判され、審査能力に疑問符が付けられた原子力規制委員会。事務局の米谷仁総務課長は十四日の定例会見で「規制委は本件の当事者ではなく、直接コメントする立場にない」と話した。「あくまでも関電に対しての命令で、規制委の審査や処分への差し止めを命じるものではない。審査に影響はない」と強調。現在行っている安全対策設備の詳細設計などのチェック作業は、今回の決定にかかわらず進めるとした。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015041502000114.html