50代をターゲットにした機能性下着への挑戦
関節の動きが悪い、膝が痛い、長時間仕事で座っているとムレる、尿漏れでパンツに染み、なんとなくパンツが窮屈だ…。年齢を重ねるごとに出てくる体の不調を少しでも下着で解決できないか。こうした中高年男性特有の問題を解決する下着ブランド「BROS GRANDE(R)」を女性下着のトップブランド「ワコール」が作った。
1991年に誕生したブロスブランド。履いて歩くだけでカロリー消費が高まる「クロスウオーカー」のヒットで30代の顧客をつかんだ。以来、「自然な流れで、中高年男性向けの下着開発に動き出した」とワコールのメンズインナー商品営業部、岡田烈さん。ブラジャーやガードルなどバストやヒップを美しくかつ着心地も求められる女性用下着で培った同社ならではのノウハウが男性下着にも生かされている。
マチュア世代の中高年男性をサポート
「加齢に伴う体形変化に配慮し、さっそうと歩けるものにしよう」。伸縮性がよくフィット感のある素材を採用した。
まずは、脚が動きやすいようにアシストする股関節サポート機能の開発だ。
「股関節サポートパンツ」は、大腿骨の外側に突出している「大転子」周辺の筋肉も加齢で衰える。これが引き起こすのが「中高年の〝がに股〟」だ。
そこで、歩行をビデオ撮影し専門家が検証。当て布で大転子をサポートするパンツを設計した。すると「股関節が安定し、さっそうと歩ける姿が確認された」と岡田さん。このほか膝や腰など、中高年男性のつらい部分に特化して、それぞれアシストパンツを完成させた。
同部の松本美栄子さんは「職場では現役、プライベートではトラッドファッションを軽やかに着こなす。そんなマチュア世代(成熟世代)のアンダーウエアとして選ばれたい」と話す。
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