保存期間100万年?、次世代ストレージはDNA
(CNN) ハードドライブやUSBメモリーなどに保存したデータは永久に存続するわけではない。ある調査によれば、ハードドライブは4年に22%の割合で消耗していくという。10年以上もつ装置もあるかもしれないが、1年ももたない装置もあるかもしれない。いずれにせよ、そうした記憶装置は永遠に存在するわけではない。数百万年にわたって保存できるようなデータ保存の最良の方法を見付けるべく科学者は自然界に目を向けている。すなわち、DNAだ。
こうした研究を進めているのは、スイスのチューリッヒ工科大学に所属している科学者のグループ。彼らが記憶媒体としてDNAに着目する背景には、DNAの莫大(ばくだい)な記憶容量がある。
DNA鎖は複雑かつコンパクトであり、理論上は、わずか1グラムでグーグルやフェイスブックといった巨大企業の全データを優に保存できる可能性を秘めている。データ量で言えば、これは455エクサバイト(1エクサバイトは10億ギガバイト)に相当する。
チューリッヒ工科大学の化学科および応用バイオサイエンス学科で講師を務めるロバート・グラス氏によれば、目下の課題は、DNAのなかに高密度にデータを記憶する可能性と化石のなかで見つかったDNAの安定性を組み合わせる方法を見付けることだ。
「我々はDNAを安定に保つエレガントな方法を見つけた」と言うグラス氏は、高密度記録媒体としての可能性を模索しつつ、DNAを長期間安定した状態で保存していくことに自信をみせる。同氏が開発を進めているのは、化石の場合と同じようにDNAを低温下で乾燥させた上で、微小なガラス球の中に格納する方法だ。
化石からのDNAの抽出については、これまでのところ約70万年前のものが最古だが、100万年前の化石からもDNAが抽出できると考える人もいる。
グラス氏の方法でも化石と同程度の劣化速度なため、そこから考えれば、100万年の長期保存も可能かもしれないという。
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