政治的理由で「撮りバス」現在激減中
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鉄道を被写体にする「撮り鉄」は近年、しばしば耳にする単語ですが、同様にバスを被写体にし「撮りバス」と呼ばれるバスファンもいます。
しかし現在、この「撮りバス」たちの撮影意欲が減衰しています。2015年4月、第18回統一地方選挙が実施されるからです。
日頃「走る広告媒体」として車体看板や車内広告、ラッピングバスや車内放送広告など、いろいろな情報を街に振りまいているバスですが、こうした選挙の際もよくバスの車体にその告知が掲出されます。
ただその際、バスのフロントウインドウ下に幕状のものを取り付ける形で掲出されることが多く、それが「撮りバス」から敬遠されているのです。また選挙時以外にも交通安全運動や、そのバス事業者の高速バス路線宣伝などでも、この場所へ「幕」が取り付けられることがしばしばあります。
「バスマスク」や「フロントマスク」「前掛け」「ヨダレかけ」「前面幕」などと呼ばれるこれが車体に掲出されると、Twitterで「『バスマスク』が出たから撮影出掛けない……」などとつぶやく人、またブログで「今月は『バスマスク』が外れるまで撮影回数が激減するため更新をお休みします」という人も。いったいなぜ、そこまで撮影意欲が減退してしまうのでしょうか。
なぜ「バスマスク」は敬遠されがちなのでしょうか。「撮りバス」の人に尋ねてみました。
「『バスマスク』を付けると社紋や局紋(フロントにあるバス会社のマーク)が写らなくなって格好悪い」(10代男性)
「祝休日の国旗は付いていると格好いいけど、『バスマスク』が付くと車両自体の記録写真としては不満」(20代男性)
「『バスマスク』自体は付いていても問題ないけど、取り付けが緩いと見た目がだらしなく感じる」(30代男性)
「しっかり装着されていても、取り付け部分のヒモが長く残っていたり、だらしなくなっていると残念」(40代男性)
「私はあまり『バスマスク』を気にしませんが、これが出ると週末などに撮影している人をパタリと見かけなくなりますね」(30代男性)
被写体としては嫌われている「バスマスク」ですが、広く情報を伝えるため重要な役割を果たしていることはもちろん、言うまでもありません。
しかしバス関係者も、「バスマスク」については複雑な思いがあるようです。まず営業所に何十台も在籍するバスへ1日で装着し、期日が来たら一気に外す必要があります。また運転士からも途中で結び直さねばならない、「パタパタなびいている『バスマスク』がアンダーミラーに映って見苦しい」などの意見が聞かれます。
近頃では「バスマスク」ではなく、マグネットシートを貼る方法に転じる事業者も多くなっていますが、時期によって様々なデザインで掲出される「バスマスク」。それをバスの表情のひとつとして楽しむのもまた、アリかもしれませんね。