日本コカ・コーラグループは3日、セブン&アイ・ホールディングスと共同企画した缶コーヒーを21日に発売すると発表した。
新製品には主力ブランド「ジョージア」のロゴと、セブン&アイのプライベートブランド(PB=自主企画)「セブンプレミアム」の
ロゴが同居する。「PB商品はつくらない」としてきた日本コカに何が起きたのか。
セブンイレブン、イトーヨーカドーなどセブン&アイグループの約1万8千店だけで販売する。「ジョージア プライベートリザーブ」
ブランドでブレンド、微糖(各185グラム、店頭想定100円)、ブラック(290ミリリットル、同118円)をそろえた。長期熟成させた
豆を使い深いコクのある味わいにした。緑茶飲料の共同企画商品「一(はじめ)緑茶」も発売する。
日本コカが小売り向けに専用商品を供給する例はあったが、小売り側のブランドを付けた商品を売り出すのは初めてだ。
日本コカは新製品について「PBでなく、あくまで共同企画の『ジョージア』だ」(和佐高志マーケティング本部副社長)と説明する。
(中略)
セブン&アイは缶コーヒーの専用商品ではサントリー食品インターナショナルと組み、昨年1月から「ボス」ブランドの共同
企画品を展開してきた。飲料総研(東京・新宿)の調べでは、トップブランドの「ジョージア」の出荷数量が昨年2%減ったのに
対し、2位の「ボス」は6%増えた。
飲料メーカーにとって、コンビニの限られた商品陳列棚にどれだけ自社製品を置けるかは最大の関心事。強大な販売力を
持つセブンの棚ならなおさらだ。「PBはつくらない」という自負には両社のロゴを併存させることで折り合いをつけ、名より実を
とった形だ。
日本コカの和佐副社長は「香りや飲み方など消費者のコーヒーに対する嗜好が多様化するなか、(セブン&アイとの共同
企画で)独自ブランドを売り出すことが売り上げ強化につながる」と話す。
セブン&アイは今回、サントリーから日本コカにくら替えすることになる。「缶コーヒーのトップメーカーと組みたかった。コカ・
コーラグループならサントリーではつくれない商品ができる」。3日、都内で開いた日本コカと共同の商品発表会でセブン―
イレブン・ジャパンの鎌田靖取締役は、独自商品の強化に笑顔を見せた。
(以下略)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03IES_T00C15A4TJ2000/