マウスの脳を操作し、2つの別々の記憶を組み合わせることに成功したと、富山大学などの研究チームが発表しました。
さまざまな記憶を関連づけて活動するヒトの脳のメカニズムの解明につながることが期待されます。
富山大学大学院の井ノ口馨教授らの研究チームは、マウスを丸い箱に入れて場所を記憶させたあと、四角い箱に移して電気ショックで
恐怖の記憶を植え付け、丸い箱に戻しました。
丸い箱では、マウスに恐怖の記憶はないため、ほとんど怖がりませんが、研究チームは、レーザー光などを使って、丸い箱を記憶した
神経細胞と、電気ショックによって恐怖を記憶した神経細胞を同時に働かせたところ、本来、怖くなかったはずの丸い箱の中でも、
強い恐怖の反応を見せるようになったということです。
この現象について研究チームは、レーザー光の刺激などによって、別々の神経細胞が同時に活動することで記憶が結びつき、記憶が
組み合わされたと考えられるとしています。
これについて、井ノ口教授は、「PTSDなどの要因になる不必要な記憶を切り離すことも原理的には可能だと思う。技術の進歩しだい
では、精神疾患の改善に応用できるかもしれない」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150403/K10010036981_1504030915_1504030921_01_03.jpg
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150403/k10010036981000.html