[アデレード(オーストラリア) 2日 ロイター] - 米オバマ政権の「アジア重視」戦略がオーストラリアの新型潜水艦調達計画に影響を
及ぼしている。米軍当局者がアデレードで先週開かれた関連会合で、調達先として絞られた日独仏のうち日本製の導入を支持した
ことがひそかに話題となっており、複数の防衛・業界関係筋によると、日本が優勢になる可能性があるという。
米国の考えとしては、アジアの海域で中国が台頭する中、米日豪の海軍の結束を強めようという狙いがある。
(中略)
アンドリュース豪国防相は会見で「国内産業の関与の度合いが基本的な検討対象となる。同盟国である米国との相互運用性も
同様だ」と指摘。国防省報道官は性能やコスト、スケジュールも重要な検討対象だとコメントした。
関係筋によると、オーストラリアが日本を調達先に選べば、高性能な潜水艦が獲得できるほか、国内で建造されれば機密度の高い
技術にアクセスでき、国内造船業界の強化につながる可能性もある。長年にわたり米国と同盟関係にある国と提携することにより、
域内での存在感を一段と強固にすることも可能となる。
潜水艦の専門家で国防相のアドバイザーも務めた経験があるレックス・パトリック氏は「(日独仏は)いずれも良い潜水艦を建造して
いる。性能よりも(米政権のアジア戦略といった)要因が調達先を決めるだろう」と述べた。
(中略)
複数の米当局者はオーストラリアに特定の潜水艦を購入するよう圧力はかけていないと主張。ただ、日本製の相互運用性に利が
あるとみていると指摘する。
米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は2月、訪問先のオーストラリアで、調達先は同国が決定することだとしつつ、
同盟国との「相互運用性」がカギだと指摘。とはいえ、複数の専門家によると、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるドイツと
フランスが建造する潜水艦も米艦船との通信が可能だ。
ただ、ある米軍高官はロイターに対し、米政権としては日本製潜水艦が欧州製よりも技術的に優れており、より多くの米技術との
統合が可能だとみていると説明した。
(以下略)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MT0KG20150402?sp=true