「かぐや姫」は、お家騒動を逆手に取れ!
大塚家具・久美子社長へ薦めたいPR必勝法
野呂 エイシロウ :放送作家、PRコンサルタント
経営権をめぐり、創業者の父・大塚勝久会長とその長女・大塚久美子社長が争った大塚家具の株主総会は、久美子社長の続投
決定で幕を下ろした。
今回のゴタゴタは、世間一般に強烈なインパクトを与えた。消費者はあまりいい印象を持たず、この騒動を受けて大塚家具の売り上げや
来客数は急減。大塚家具が4月1日に発表した実績によると、3月の売上高は前年同月比37%も減った。筆者は放送作家で戦略的
PRコンサルタントでもある。もし、大塚家具からPR戦略について仕事の依頼がきたらどんな戦略がありえるだろうか。考えてみたい。
「かぐや姫」に提案する3つのPR戦略
久美子社長の続投によって、大塚家具の戦略はかつての高級路線から大衆志向へと転換される可能性がある。今回の騒動による
久美子社長の露出は、今まで大塚家具を知らなかった人が、初めて認識したということもあるかもしれない。であれば、消費者が影響を
受けやすいテレビ番組に社長みずからがアピールをするというのは、戦略のひとつとしてありえる。主なアイデアを3つ提案しよう。
戦略その① 「久美子社長を広告塔にせよ」
戦略その② 「親子問題を語れ」
戦略その③ 「家具芸人、インテリア大好き芸人を巻き込め」
戦略その④ 「自ら店頭に立て!」
(各戦略の詳細はソースで)
今、大塚家具に必要なのは、家具を紹介するメディアである。経済ニュースばかり取り上げられると、その会社はどんどんダメになる。
一時期、日本マクドナルドホールディングスは、ハンバーガーのおいしさよりも、原田泳幸氏(前会長=現ベネッセホールディングス会長兼
社長)の経営手腕ばかりが取り上げられた時期がある。そうなると、やはり、本当の味がよくわからなくなってしまう。
消費者にとって社長は誰でもいい。それよりも、どんな家具があるかが知りたいのだ。せっかく「かぐや姫」のあだ名がつけられ、メディアへの
露出が増えたのだから、これを逆手に取ればいい。多少のリスクはあるものの、タレント化は本当に有効な手段だと思う。
残念ながら筆者はご本人にお会いしたことがないが、会えればぜひとも進言したい。おそらく数億円の広告効果はすぐに出る。これは
ほかのどの社長にもできない戦略なのだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/64827