カッパドキアに新たな地下都市、過去最大と推定
ナショナル ジオグラフィック日本版?3月31日(火)10時49分配信
ビザンチン期の要塞の地下に不規則に広がるトンネルや部屋が発見され、考古学者たちが調査を進めている。トルコ・ネブシェヒルで撮影。(PHOTOGRAPH BY MURAT KAYA, ANADOLU AGENCY/GETTY)
トルコの世界遺産カッパドキアで、過去最大とみられる地下都市が見つかった。場所はこの地方の中心都市ネブシェヒルの市街地。丘に建つ城の地下に、入り組んだトンネルと部屋が発見された。発掘調査されたのはまだ一部だが、その規模と構造はこれまで最大とされてきたデリンクユの地下都市を上回るとみられる。
カッパドキアはトルコ中央部に位置し、妖精の煙突と呼ばれる奇岩や洞窟の教会、さらには数多くの地下都市で知られている。火山灰が堆積してできた柔らかい岩石や凝灰岩を削り出してつくった地下都市は250 余りあり、侵入者から逃れるための隠れ場所だったとされる。
工事現場で見つかった地下への入り口
発見のきっかけは、市の住宅建設プロジェクトだった。2013年、ネブシェヒルの城を取り囲むように建っていた低所得者向け住宅を解体していた作業員たちが、地下への入り口を発見。その先にはトンネルと部屋が網の目のようにつながっていた。
市は建設プロジェクトを中止すると、考古学者や地球物理学者による調査を開始。2014年に居住空間や調理場、ワイン醸造所、礼拝堂、階段などから成る多層構造の地下都市を発見した。石臼や石の十字架、陶磁器といった遺物からは、ビザンチン期からオスマン帝国の支配下に置かれるまで、ここが実際に使用されていたことがうかがえる。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150331-00010001-nknatiogeo-sctch