段ボールだけを使い、原寸大の蒸気機関車(SL)「D51」を作り上げた段ボール工芸家が長崎県にいる。昨年九州を出発したD51は、各地で組み立てと解体を繰り返し、終点の東京を目指して現在“快走中”だ。製作の現場を取材した。
3月中旬の深夜、買い物客の姿が消えた奈良県橿原市のショッピングモールに、10トントラック2台分の部品が運び込まれた。その数およそ1700点。材料の段ボールには「ばれいしょ」などと書かれ、すべて青果店やそうめん業者から譲り受けたものだ。制作者の島英雄さん(65)は「中古じゃないと機関車の雰囲気がでない。表面が波打っていたり、ガサガサしているところがいい」とこだわる。ひとつひとつ取り付ける位置を確認しながら、床に並べる作業が未明まで続いた。
この部品、島さんが採寸と図面作りを含め、2年10カ月かけて完成させたもの。モデルにしたのは東京都北区の飛鳥山公園に展示されているD51。メジャーやスケッチブックを手に2年間、ほぼ毎日通い採寸を繰り返した。書き上げたスケッチは約3000枚。それをもとに図面を起こし、手作業で段ボールを加工した。1000カ所あるボルトも含めてすべて段ボールで再現する徹底ぶり。現在も細かい部品を追加中で、東京到着までに200カ所ほど増えるという。
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ソース http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84836290V20C15A3000000/
写真 http://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO8488326026032015000001&bf=0&dc=1&ng=DGXMZO84836290V20C15A3000000&z=20150329