【ワシントン=斉場保伸】アフガニスタンの反政府勢力タリバンに五年間拘束され、昨年五月に解放されたバーグドール
米陸軍軍曹(28)が二十五日、正式に訴追されることになった。米陸軍が発表した。解放当時は「最後の戦争捕虜」と
英雄視されたが、その後、敵前逃亡した結果拘束されていたとの疑惑が浮上していた。
軍曹の解放をホワイトハウスで発表したオバマ大統領は「米国は兵士を決して戦場に置き去りにしない」と英雄の帰還を
強調。軍曹の解放と引き換えに、米政府は拘束していたタリバン幹部らを解放しており、脱走疑惑はオバマ政権に痛手と
なっていた。「違法行為があったなら見逃さない」(デンプシー統合参謀本部議長)と火消しを図っていた米軍は、ようやく
疑惑を事実と認めた格好だ。
ロイター通信によると、軍曹は、敵前逃亡と任務を放棄して軍を危険にさらした不正行為の罪でテキサスの軍事法廷に
訴追される。有罪が確定すると、最高で終身刑となる可能性があるという。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015032602000279.html