中学時代に不登校を経験し、啓新高(福井市)の通信制課程を卒業した花弥一葉さん(18)が今春、奈良女子大(奈良市)に合格した。中学3年生の時から憧れていたスクールカウンセラーを目指し、大学では心理学を学ぶという。
花弥さんは、中学の入学直後から「教室の中と外で空気感が全く違うように思い、疎外感があった」という理由で欠席を続け、校内の図書室などで勉強した。
3年の時、スクールカウンセラーの女性を紹介され、週に1回程度のカウンセリングを受けるようになった。以来、気持ちを全て吐き出すことで不安が和らぎ、話を丁寧に聞いてもらえることのありがたさを実感したという。
啓新高では、「スクールカウンセラーになって福井で働きたい」と志し、個別授業などでこつこつと勉強した。その結果、奈良女子大生活環境学部などに合格。2011年の通信制課程設立以来、初の国公立大合格者となった。
4月からは心理学を勉強する。大学院で臨床心理士の資格を取ることが目標で、花弥さんは「同じような悩みを抱えている人も、受験を難しいと思わず挑戦してほしい」と呼びかける。担任だった荻原美和教諭(42)は「不登校を経験しても、本人の努力に加えて環境が整えば変われると知ってもらいたい」と目を細めた。
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