「日本人はブームに流されやすい」 実は戦国時代、外国人に指摘されていた
古代、中世、戦国、江戸、幕末そして近現代と、日本が辿ってきた歴史の歩み。
その長い歩みのなかでは、多くの外国人たちも日本を訪れ、ときに新たな文物や知識をもたらし交流が図られてきました。
同時に彼らのなかには、日本で見聞したこと、感じたこと等を書き留めていた者も多くいました。
文教大学付属中学・高等学校で日本史を教えるかたわら、クイズ番組等にも出演し活躍中の、河合敦さんによる『外国人がみた日本史』。
本書では、古代から現代にいたるまで、外国人はどのように日本を見てきたのか、残された文書を紐解きながら分析していきます。
たとえば戦国時代。豊臣政権の末期に捕虜として日本に連行された朱子学者の姜沆(かんはん)は、
その著書『看羊録』のなかで、日本人はブームに流されやすい国民性を持っているという旨のことを書き記していたのだといいます。
「大体その風俗は、小〔事〕にさとくて大〔事〕にうとく、衆〔人〕の尊び誉れとすることについては、
そのあとさきをよく調べもしないでひたすらそれに従い、一度それに惑わされたが最後、死ぬまでさとりません」
「みんなが良いというから良いのだ」「みんながやっているから、自分もやる」という、なんとなく流されてしまいやすい国民性は、
昨今にはじまったことではなく、少なからず当時の日本人にも見受けられた性質のようです。
つづく