東日本大震災、そして福島第一原発事故から4年。原発事故のあと、われわれは日常的に「放射線」という存在と向き合わざるを得なくなった。
シーベルト、ベクレル、グレイ。アルファ線、ベータ線にガンマ線――。原発事故直後、昼夜問わず開かれる記者会見では事故を起こした原子炉から漏れている放射線量が淡々と発表されていた。しかし、なじみのないその単位や数値が危険なのかどうか。それすら、われわれにはわからなかった。
中略
そのような状況をテクノロジーの力で解決しようと立ち上がった集団がある。都内にある「Tokyo HackerSpace」に集うエンジニアたちだ。
彼らが原発事故後、わずか1カ月で立ち上げた「Safecast」は、自分たちで計測した放射線量をインターネット上の地図にマッピングするプロジェクトだ。市民による放射線測定プロジェクトはSafecast以外にもいくつか存在するが、Safecastの特徴は彼らの開発した専用のハードウェアを車に装着して走りながら計測し、GPSデータとともに記録できることだ。これによって高速、かつ大量の放射線量データの収集が可能となる。これまでに計測したポイントは2700万カ所。福島第一原発やチェルノブイリ原発の中も計測された。結果はインターネットブラウザ上ではもちろん、iPhoneやiPadのアプリでも見ることができる。データの見せ方は洗練されており、動作も軽快だ。また測定されたデータは誰もがアクセスでき、エンジニアが活用できるようにAPIも準備されている。
続きはWebで
http://politas.jp/features/4/article/354