お花見や歓送迎会など、何かとお酒を飲む機会が増えるシーズンだが、
かなり泥酔してもちゃんと家に帰ってきた体験を持つ人も少なくないのではないだろうか。
また、眠った状態で辺りを徘徊する夢遊病者の多くは、
壁や障害物にぶつかって怪我をしたりはしないという。これは一体どうしてなのか?
最新研究でその謎が明らかにされようとしている。
■「帰巣本能」は"脳内GPS"だった
昨年のノーベル生理学・医学賞はなんともセンセーショナルな"脳内GPS"の発見に
与えられたことは記憶に新しい。受賞した神経科学者のジョン・オキーフ氏らの研究では、
マウスを使った実験で、脳の細胞のある部分に、まるでGPSのように自分が今どこにいるのか、
どこへ向かっているのかを把握し、記録を残す機能があることが解明されたのだ。
具体的には1970年代から行なわれてきた実験で、
マウスの脳内には特定の場所にいるときだけ活性化する「場所細胞(Place cell)」と、
今まで訪れた場所を六角形で繋ぎ、その中心にいる時に活動する
「グリッド細胞(Grid cell)」があることが発見されたのだ。この2つの脳細胞は互いに結びついており、
それによりマウスはあたかもGPSの位置情報のように現在自分がいる場所を把握し、
それに基づいて進むべき方向を判断しているということだ。
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