大阪地方裁判所の中垣内建治裁判長は2月16日、大阪市が市職員に対して実施した
入れ墨調査のアンケートは、市の個人情報保護条例に違反するとして、アンケートを拒否し
戒告処分に処せられた市立十三市民病院の看護師、森厚子さん(58歳)への処分取り消しを命じ、
市の違法性を認めた。
入れ墨調査を巡る訴訟では、昨年12月の市交通局の男性に続く二度目の違法判決となる。
原告の森さんは裁判所の玄関前で「今度も勝訴」と書かれた幕を掲げた。
「これは私だけの勝利ではありません。私を含めアンケートを拒否した6人、職場でものも言えず
押さえつけられているすべての職員、そして橋下市政にノーと言う市民全体の勝利だと思っています」
森さんは、2年を超す闘いを経て、同じ気持ちで闘っているのは自分一人ではないと実感したという。
入れ墨調査のアンケートへ回答を拒否した職員6人は、それぞれが加盟する労組や支援団体が違うため
別々に闘っていたが、この2年で6人の共闘が進んだことは森さんの励みになった。
さらに心強かったのは、他県から職場宛てに届いた励ましの手紙であったという。森さんはこう続ける。
「手紙には、私へのエールの他に、どうして大阪市民は皆、橋下市長が好きなのかと書いてあるのです。
そんなことはない。だから私一人でも闘って、その闘う姿を見せることは大切だと思いました」
本件について大阪市は控訴の構えであり、森さんは「長い闘いを覚悟している」と語る。
控訴審はもちろんのこと、職場での不利益扱いも予想される。現に人事考課では、突然の最低評価を受けた。
アンケートへの回答拒否が反映されたのだ。職員を“報復人事”で縛る息苦しい体制で結局困るのは、
サービスを受ける市民である。橋下市長は連敗を重く受け止め、市長の座から退くべきであろう。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150318-00010000-kinyobi-soci