官邸が後任探し 受信料私物化でNHK籾井会長ついに更迭へ
失言と失態が続くNHKの籾井勝人会長(72)に決定的なスキャンダルだ。
今年の正月、プライベートでゴルフの初打ちに出かけた際、わざわざNHKの公用ハイヤーを使い、往復料金を受信料で負担させていた。
さすがに安倍官邸も公私混同の“厚顔会長”をかばい切れず、後任探しに動き出した。
籾井会長の受信料の私物化は2月下旬、NHK関係者の内部通報で発覚した。現在、経営委員3人で構成する監査委員会が籾井会長らに事情を聴いているという。
籾井会長は監査委に「あとで代金を払うつもりだった」と弁明。すでにNHKに代金を払ったとはいえ時期は監査委が調査を始めた後だ。
安倍政権で相次ぐ補助金受給企業からの献金じゃあるまいし、カネを返せば済むと思ったら大間違いだ。
発売中の「週刊現代」で、この疑惑を詳細にリポートしたジャーナリストの森功氏が言う。
「NHKではハイヤー代など外部発注の支払いは翌月払い。正月の使用料なら2月払いです。私の取材だと、内部通報者はNHKが籾井会長の私用料金をハイヤー会社に払ったのを確認してから告発に踏み切っています。
料金は税込みで4万9585円。籾井会長は“あとで払う”つもりなら、なぜ1カ月以上も放置したのか。なにより、遊びのゴルフなら、個人でハイヤーを頼んでその場で支払えばいい。
内部告発がなければ、払う気などなかったという疑念は拭えません」
恐らく籾井会長にも後ろめたさがあったのだろう。不正がバレないように“小細工”を弄した疑いがある。
プレー当日、東京・小金井市の名門ゴルフ場「小金井カントリー倶楽部」を往復する際、普段は「白のレクサス」のハイヤーに乗っているのに、
「わざわざ別の車種を用意させた」(関係者)というのだ。「あとで払う気だった」なんて、子供じみた言い分は通用しない。
「政府が右と言うことに左とは言えない」
「政府のスタンスが見えないので、(慰安婦問題の)放送は慎重に考える」
籾井会長は昨年1月の就任当初から「政治的中立」を定めた放送法に反して安倍政権ベッタリの失言・暴言を重ねてきた。
そのたび「個人的見解だ」「アナウンス室で話術の勉強をする」などと言い逃れてきたが、今回の公金スキャンダルは「見解の相違」ではゴマカせない。
18日に籾井会長は民主党の総務・内閣部門会議への出席を求められている。
前回、2月に出席した時に参加議員から過去の暴言を糾弾され、「くだらん」と反発したアノ会議だ。出席すれば、今回のスキャンダルを激しく突っ込まれ、火ダルマとなるのは間違いない。
「いま国会はNHKの新年度予算案審議の真っただ中。国民から受信料を徴収して番組を制作・放送する公共性から、NHK予算は全会一致での年度内承認が大原則です。
昨年は野党6党が籾井会長の資質を問題視し反対に回って、原則が8年ぶりに破れた。
2年連続で全会一致が崩れれば、NHK史上初の異常事態です。さすがに経営委員会からも会長罷免の声があがるだろうし、後ろ盾の官邸サイドも籾井会長とは距離を置き始めているといいます」(森功氏)
今回のスキャンダルを知り、安倍官邸が次期会長候補のリストアップを始めたという声も聞こえてくる。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158113/1